2013年12月01日

男坂・女坂

日本の神社などは、まっすぐ上り下りできる階段と少し迂回するが傾斜の緩いスロープの両方を備えていることが多い。
男か女かでルートが決められているわけではないが、前者を男坂、後者を女坂と呼ぶ。

一般的になったのは、神社が多数の信徒を獲得し婦女子の参拝が増えた17世紀以降のことだそうである。
今と比べて道を整備するのが大変だった時代に、バリアフリーに思いをいたらせた日本人がいたことには驚かされる。

当初は、バリアフリーを狙いに作られた女坂ではあるが、その後は様々な効用につながった。
まず、往きは男坂、帰りは女坂という様な使い分けができるようになり、参拝の道中を楽しめるようになった。

時代が変わると、クルマのルートとしても使われるようになった。
いずれも、女坂がなければ実現しなかった使い方だと思う。

道路利用者の中にも、急ぐ人もいれば、ゆっくり行きたい人もいる。
しかし、今は、機能性が重視され、直線道路の組み合わせでネットワークが造られてしまう。

クルマには便利であっても、歩行者にとっては変化が少なく決して楽しくはない。
時代の変化に柔軟に対応していけるよう、もう一度“男坂・女坂”の概念を思い起こす必要があるように思う。

12月1日 Y.I.記
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2013年11月01日

ガラケーVSスマホ

私が今使っている携帯はもう3代目、6年半使ってきた。
外見はボロボロ、バッテリーも弱ってきたので、買い替えを検討中である。

使い方はいたってシンプルなため、高機能化を望んでいるわけではない。
しかし、世の中は変わり、いつのまにかカタログにはスマホが溢れている。

世の流れに乗ってスマホに買い換えようと思ったが、周りからはヤメロの声ばかり。
要は、宝の持ち腐れになるということらしい。

確かに、たまに電話とメールを利用し、転送メールを確認するだけならガラケーで十分である。
しかし、あれば便利な機能もあるかもしれない。そう思って考えると色々ありそうだ。

外出時のインターネットを利用した調べもの、資料の確認と作成、新聞やテレビの閲覧…
どれも、パソコン+通信があれば解決することばかりだ。

ただし、現在使っているパソコンでは重すぎて常時携帯はできない。
また、通信速度の遅い携帯電話を使っても実用性がない。

結局、携帯性を重視してタブレットを持つか、仕事との連携を考えてタブレット型PCを持つかの選択にたどり着いた。
いずれの場合も、通信手段はポケットWiFiを使い、電話はガラケーを使えば良い。

技術の進化によって選択肢が増えたことは間違いなくいいことだと思う。
同時に、ガラケーかスマホか決めるにも色々考えさせられる、面倒くさい世の中になったものだとも思う。


11月1日 Y.I.記
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2013年10月02日

久し振りにミナミに行って感じたこと

学生時代からの馴染みの店がミナミの相合橋筋にある。
カウンター20席ほどとようやく4人が座れるほどの狭いテーブル席が2つの小さい店である。

裸電球に照らされた白木のカウンターと威勢の良い掛け声、メニューもほとんど30年前のまま。
カウンターの中に居る調理人も30年前のままだ。接客係も入れ替わった人もいるが、雰囲気は変わらない。

変わったのはむしろ客層だ。随分若い人が増えた。
それと、これまでは気付かなかったが外国人も多くなった。

店のおばさんに聞くと、以前はもっと中国人が多かったとのこと。
外国人の中には片言の日本語でしゃべっている人も多い。

店のおばさんは、それに上手に合わせている。
色んな国の人が、その店の流儀に合わせて、ひと時を過ごし去っていく。

日本人でも再訪が難しい場末にある店でも、情報は広がり多くの外国人が集まる。
こんな草の根交流が当たり前になり、隣人との相互理解が深まればいいなあと思う。


10月2日 Y.I.記
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2013年09月01日

賢い消費者を育てる産業政策への転換

以前、“売れない多機能商品”のことを書いた。
かつて、高い技術力を武器にグローバル市場を席巻したわが国製造業であるが、技術力だけでは競争に勝てない時代になったことを言いたかった。

一般的に言われてることではあるが、わが国ではあまり危機感が感じられないように思う。
円高を是正し、関税や法人税などのコストを下げれば、確かに一時的に競争力は強化されるだろう。

しかし、それだけでわが国産業の競争力が復活するとは思えない。
問題は、創造力であって、製造、販売能力にあるわけではないと思う。

アメリカでは、次々とプレーヤーが交代し産業の新陳代謝が進んでいる。
急激な気候変動に適応できずに恐竜が絶滅した過程に似ている。

これに対して、わが国では企業の再編はあるもののほとんど同じプレーヤーが存続する。
アメリカと同じように環境は変化しているのに、新陳代謝は起こりにくい。

それは、企業の歴史が浅くアメリカの企業ほどは老化していなかったからだということもできる。
しかし、理由はそれだけではない。

日本の産業は規制と保護という温室で環境変化の影響を受けにくい構造になっているように見える。
保険、医療、製薬、…、TPPで攻撃にさらされているのが、まさにこのカテゴリーに含まれる産業である。

円安が進めば、製品だけでなく部品の輸出価格も下がる。
魅力のある製品を生み出す創造力を失えば、日本が世界の部品工場と呼ばれる時代にもなりかねない。

これまでの垂直統合型の生産システムを維持したまま、企業が創造力を発揮し続けることは不可能に近い。
産業の規制や保護よりも、商品価値を適正に判断できる賢い消費者を育てることに、もっと知恵を使う必要があると思う。


9月1日 Y.I.記
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2013年08月04日

花火大会

 7月27日のゲリラ豪雨で隅田川花火大会が中止になった。

平年の梅雨明けは7月20日頃、台風の本土への上陸が多いのは8〜9月なので、想定外だったと思う。

 ついでに、関西の花火大会(兵庫、大阪、京都)について調べてみると、次のようなことが分った。

・開催数が多い日は、1位7月27日(9)、2位8月3日(6)、3位8月14、15、16日(各4)で、7月末から8 月前半に集中する。

・開催が多い府県順は、1位兵庫県(41)、2位京都府(13)、3位大阪府(6)で、兵庫県が7割弱を占め る。

・打ち上げ数5000発以上の大会は11で、兵庫県(5)、京都府(4)、大阪府(2)の順である。

 意外だったのは、兵庫県や京都府の開催回数が大阪府を上回っている点である。

 5000発以上の打ち上げ数の大会に限っても、兵庫県ではみなとこうべ海上花火大会(約1万発)の他、5000発級の大会が淡路島(2回)、芦屋(1回)、加古川(1回)で開催される。

 これに対して、大阪府で開催される5000発級の花火大会はなにわ淀川花火大会(非公開)と天神祭(5000発)の2大会のみで、いずれも大阪市内で開催される大会である。

 花火大会(1万発級)の開催には、5000万円〜1億円の費用が必要とされるので、おいそれと回数を増やせないのは当然である。

 しかし、花火大会の効果は、数十万人の消費を刺激する一時的な経済効果にとどまらない。

 他の活性化策や振興策と組み合わせれば、まちのイメージアップやわがまち意識の醸成等の相乗効果が期待できる。

 同様の効果が期待できる他のイベントとともに、無形の社会インフラを創造する公共事業と位置付け、まちおこしの起爆剤として活用していけないものだろうか。

※参考資料 花火カレンダー2013(http://hanabi.walkerplus.com/list/ar0727/
※上記の統計には、遊園地や観光地の小規模なイベントや宗教行事(例 教祖祭PL花火芸術)を含まない

8月4日 Y.I.記
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2013年07月03日

大阪今昔

先日、久し振りに大阪に行く機会があり、グランフロント大阪を訪れた。
大阪駅のレトロな外観は高層ビルに置き換わり、駅には大屋根がかかっている。

欧米では当たり前の鉄とガラスの大架構の駅舎は、10数年前には全く受け入れられなかった。
検討ばかりで実現できなかった大阪駅の南北を結ぶ自由通路も、想像した以上に立派だ。

グランフロントも先行開発区域と広場が完成しているだけであるが、自分の中ではすでにスケールアウトしている。
ただ、まちが歩行者中心にデザインされているので、立ち止まって周りを見渡せる。居場所は確認しやすいので安心だ。

駅前が、歩行者中心の広場になっているのもヨーロッパでは当たり前なのだが、日本の大都市では珍しい。
広場にオープンビア?を見つけたので、そこで来街者を眺めながらしばしの休息をとった。

次に、学生時代からよく通ったミナミの店に行った。
周辺にはケバイ店、怪しい店が増えたが、私の馴染みの店は、外観も内装も変わらない。

メニューも賑わいも昔のままであるが、店のスタッフや客層は変わっている。
でも、世代交代をしても人の流儀は昔のままである。

この変わらない流儀が、大阪の文化を支えてきたような気がする。
グランフロントにも、新しい大阪の文化を支える独自の流儀が育ってくるのを期待したい。


7月2日 Y.I.記
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2013年06月01日

職住近接

事務所を六甲道に移転して40日が経過しました。
利便性や緑とオープンスペースに恵まれた環境は申し分ないのですが、ひとつだけ困っていることがあります。

それは、職住近接による運動不足です。
これまでは事務所が三宮にあり、通勤だけで片道1500歩歩いていましたが、今はたった500歩です。

職住近接だと寄り道も減るようです。
歩く距離が減り、体重が増え始めました。

そこで、昼休みの散歩とジムでのウォーキングを日課にするようにしています。
お蔭様で、体重も元通りになり、以前に比べて六甲道周辺の事情に詳しくなりました。

でも、同じことを繰り返していてはいずれ飽きてしまいます。
やはり、ライフスタイルそのものを変える必要があります。

欧米のように、コミュニティの仲間や家族と過ごす時間を増やす必要があるのかもしれません。
職住近接のライフスタイルの定着に向けて、欧米の都市のように、夜間も仲間や家族で手軽に利用し会話が弾むパブやレストラン、文化施設、公園等をまちのインフラとして充実させたいものです。


6月1日 Y.I.記
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2013年05月02日

ゴールデンウィーク

ウィキペディアによると、ゴールデンウィークの起源は1950年代始めに遡るのだそうだ。
獅子文六原作の『自由学校』が、この時期に正月映画やお盆映画以上の興行成績を残し、宣伝のため大映が使い始めたのだそうである。

丁度、私が生まれたのもこの頃で、私と同世代の言葉である。
若い頃は、胸躍る言葉だったが、最近はそうでもなくなった。

年のせいだと思っていたが、そうでもなさそうだ。
周りでも、テンションが下がっている。

ゴールデンウィークが輝いたのは、家族や仲間が一緒に休暇を取りにくかった時代だった。
盆と正月以外に家族や仲間が一緒に旅行やレジャーに出かけられる貴重な機会がゴールデンウィークだったのである。

しかし、最近では、家族旅行や団体旅行が減り、個人旅行や少人数の気まま旅が増えているそうである。
もはや、家族や仲間で休暇を合わせる必要は薄れてしまった。

このような時代背景の変化が、ゴールデンウィークの価値を引き下げたのだと思う。
逆に言えば、ゴールデンウィークの価値を再構築することが社会の活力を再生することにつながるのかもしれない。

この機会に、ゴールデンウィークの有意義な過ごし方について考えてみたい。

5月2日 Y.I.記
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2013年04月01日

入社式と入学式

今朝の三宮バスターミナルには、入社式や入学式に向かうと思しき行列があった。
ランチの店も盛況で、いつもより大人数のグループが目立っていた。

思えば、大学の入学式は紛争の最中であまり記憶にない。
最初の就職は大学で、やはり入社式の記憶はない。

次の就職は、途中入社のため入社式はなし。
独立してからは新入社員もいないので入社式の必要なし。

こんな経歴のため、入社式や入学式がうらやましくて仕方がない。
せめて、今日くらいは、新年度の抱負を胸に、周囲に負けない晴れやかな顔でいたいものだ。

4月1日 Y.I.記
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2013年03月03日

正解と納得解

政策や施策を評価する場合、将来イメージの共有が重要です。
例えば、車が増えるのか、減るのか曖昧なままで、まともな議論はできません。

そこで、将来予測を行い将来イメージの共有が図られます。
例えば、車の増減は、人口増加や経済成長の見通しに基づいて予測されます。

しかし、予測で前提としている人口や経済の見通しにも異論は沢山あるはずです。
また、国土・社会構造、価値観の変化についても異論を調整し、予測モデルに反映する必要があります。

正解があるのであれば、時間をかければこれらの異論も調整できるのかもしれません。
しかし、ほとんどの場合、正解はありそうもありません。

現状の道路事業評価では、全国ベースの自動車交通量予測値を用いることとされています。
この予測値を使って計算した費用便益比をもとに事業の必要性が判断されます。

実際には、判断基準も統一されていますから、異論をさしはさむ余地はほとんどありません。
異論の調整の手間はありませんが、合意形成の手続きとして考えるとおかしな気がします。

意見を統一するのは無理としても、徹底した議論を通して異論を理解し、納得解を作る優しさも必要なのではないでしょうか。
我々も、異論に対してフレキシブルに対応できる予測システムの開発・実用化に取り組みたいと思います。

3月3日 Y.I.記
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