2017年04月09日

現状維持バイアス

行動経済学では、「人は変化よりも現状維持を選択する傾向があり必ずしも効用を最大化させるわけではない」とされ、これを現状維持バイアスと呼ぶ。
現状維持バイアスは、人の合理的な判断を妨げるので意識的に取り払う必要がある。

これを取り払うには現状が悪いと意識させるか変化が良いと意識させるか、いずれかまたはまたは両方の働きかけが必要になる。
要は、相対的に現状維持より変化の方が合理的であると多数が認識することが必要である。

ブレグジットやアメリカの政権交代は、現状維持バイアスに対する慣れと油断の結果生まれたのだと思う。
トランプ氏は現状に不満を持つ層に絞ってアメリカ第一主義というわかりやすいスローガンを掲げた。

一方、クリントン氏は政権時代のスキャンダルに対する防戦に力をそがれ、変化がもたらす効用について夢を与える余裕を失った。
ブレグジットも、ECにとどまることによる効用の方が離脱による効用の説明より国民への訴求力の点で劣っていたのではないか。

2つの出来事は何れも変化にはつながったが、現状維持バイアスを正しく克服できたかという点では疑問が残る。
目標とする将来像やその実現ステップに対するコミットメントを戦わせて克服していく必要があると思う。

交通量予測や交通シミュレーションに携わる立場からも、市民、国民に訴求する政策評価指標とその推計ツールの開発に取り組んでいきたい。


4月9日 Y.I.記
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posted by nmdc-yi at 13:55| 交通シミュレーション