2016年06月01日

LRTの導入について

ミレニアムの年にフランスにある8都市のLRTを見て回った。
16年も前の話であるが、今でも鮮度を保っている。

ストラスブールのLRTが開業したのは1984年、視察した年の16年前にあたる。
その時にも、どうして日本にLRTは導入されないのか疑問に思った。

しかし、その時からさらに16年がたってもLRTの導入は富山市のみである。
富山市の例もいろんな面で幸運が重なって生まれただけで、我が国への導入に弾みがついたと考えるのは早計だと思う。

確かに、富山市のLRTも車両や軌道、架線等のハードの面ではストラスブールに引けを取らない。
最も大きな違いは、LRTに対する意識とそれを計画し整備する制度などソフト面にあると思う。

例えば、日本では国の支援を受けて中心都市である富山市が単独で計画・整備を進める。
一方、フランスでは都市圏の広域行政庁が主体となり、大半は自主財源で賄われる。

LRTのルート、機種・デザインや停留所周辺の再整備のプランまで市民に意見を求める。
もちろん、合意形成の手続きも法律に明記されている。

LRTは都市圏の交通インフラの一部として、総合的な交通体系の中で役割が位置付けられる。
その結果、鉄道との相互直通やバスとの乗り継ぎや自転車との連携も図りやすい。

そして、何より市民が手軽に利用できる運賃システムが備わり、市民があたかもエレベータのように気軽に利用できる。
行政も自主財源の中でメリハリの効いた整備を進めることができるので、都市の個性を発揮しやすく、それが魅力にもなる。

まだまだ課題も多いが、私が80歳を迎える16年後にはLRTを利用してまち歩きを楽しみたいものだ。
posted by nmdc-yi at 18:41| 都市