2017年06月02日

文化とふれあえるまち

65歳になると市立の文化施設の多くがフリーでアクセスできるようになる。
市役所からの案内を見てかつて視察したボストン、ストラスブール、リヨン、ロンドン等の都市のことをを思い出した。

いずれの都市にも歴史的建造物が残され、近代的な街並みや川面、丘等の自然景観と調和している。
いや、残されているというより、今もシンボルとしてなくてはならない存在である。

一方、我が国ににも東京駅とその周辺のような例もあるが限られている。
点在するスポットを脈絡なく結んでも、ボストンのフリーダムトレイルのように建国の歴史を辿るネットワークにはならない。

ロンドンにも、長い歴史の中から生まれた個性的な街路と広場(ラウンドアバウト)が今も生活を支えている。
また、ストラスブールやリヨンでは自動車の流入を抑制しかつて中心部にあったまちの賑わいを再生している。

気楽にまち歩きできることに加え、その気になれば歴史や文化を深堀できることが何度訪れても飽きないまちの条件だと思う。
まちは変わらないが、訪れる人の成長に応じて違った感動を与えてくれる。

歴史や文化の深堀に欠かせない博物館や美術館等の文化施設はフリーまたは安価で利用できるようでなければならない。
我が国の場合、博物館や美術館だけでなくミュージカル等にふれあうコストは高すぎると思う。

ロンドンの自然史博物館は夏休みの間、夜間無料で開放されていた。
夕方、中庭でお弁当を広げ夜間博物館をまるで居間のように使って楽しんでいたインド人家族を今も鮮明に覚えている。

きっと、子供たちの脳裏には天井からつるされた始祖鳥の骨格の映像が正確に刻まれたに違いない。
文化とふれあえるまちは一朝一夕にできるものではない。

一流だけでなく草の根の文化を育む視点もまちづくりを進めるうえで大切だと思う。


6月2日 Y.I.記
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posted by nmdc-yi at 17:53| まちづくり

2017年05月01日

ゴールデンウィーク

ゴールデンウィークの起源は、昭和26年(1951年)の映画「自由学校」の大ヒットにあるそうだ。
この時期に正月やお盆の興行を凌ぐ動員を記録し、これにあやかって興行会社が命名したのが起源とされる。

誕生以来66年、人間で言えば高齢者の仲間入りだ。
ただ、人により、時代によりこの言葉の受け止め方は様々だと思う。

大型連休と捉えて、日頃できない遠出や家族・グループ旅行を楽しむ人も多い。
また、自由時間を活かして趣味や自己実現に取り組む人もいる。

私の場合は、年とともにボーっとするだけの時間が増えているようだ。
何か無駄な時間を過ごしているようでもあるがそうは思わない。

人は眠っている間に記憶した情報を整理し新しいアイデアを生むそうだ。
しかし、年を取ると眠りが浅くなりこのメカニズムがうまく働かない。

昔のことは覚えているが、最近のことは忘れやすいというのもこのせいだと思う。
この失った脳内メカニズムを補うにはボーっとする時間が必要だと思っている。

今年も、ボーっとする時間の効用を信じ、気ままなゴールデンウィークを過ごしたいと思う。

5月1日 Y.I.記
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2017年04月09日

現状維持バイアス

行動経済学では、「人は変化よりも現状維持を選択する傾向があり必ずしも効用を最大化させるわけではない」とされ、これを現状維持バイアスと呼ぶ。
現状維持バイアスは、人の合理的な判断を妨げるので意識的に取り払う必要がある。

これを取り払うには現状が悪いと意識させるか変化が良いと意識させるか、いずれかまたはまたは両方の働きかけが必要になる。
要は、相対的に現状維持より変化の方が合理的であると多数が認識することが必要である。

ブレグジットやアメリカの政権交代は、現状維持バイアスに対する慣れと油断の結果生まれたのだと思う。
トランプ氏は現状に不満を持つ層に絞ってアメリカ第一主義というわかりやすいスローガンを掲げた。

一方、クリントン氏は政権時代のスキャンダルに対する防戦に力をそがれ、変化がもたらす効用について夢を与える余裕を失った。
ブレグジットも、ECにとどまることによる効用の方が離脱による効用の説明より国民への訴求力の点で劣っていたのではないか。

2つの出来事は何れも変化にはつながったが、現状維持バイアスを正しく克服できたかという点では疑問が残る。
目標とする将来像やその実現ステップに対するコミットメントを戦わせて克服していく必要があると思う。

交通量予測や交通シミュレーションに携わる立場からも、市民、国民に訴求する政策評価指標とその推計ツールの開発に取り組んでいきたい。


4月9日 Y.I.記
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posted by nmdc-yi at 13:55| 交通シミュレーション

2017年03月04日

イチゴ大福

灘区に行列のできる餅屋がある。
年末の丸餅、お彼岸のおはぎ、月見団子、桜餅と季節によって品揃えが変化する。

一月ほど前、昼休みに足を延ばしてみると5人ほどの行列を発見。
ショーケースにイチゴ大福の手書きの張り紙。

運良くゲットできたので別の日の昼休みに行ってみると…
なんと行列は3人、しめしめと思ったのも束の間、どうも様子がおかしい。

イチゴ大福ではなく別の商品ばかり注文している。
もしやとショーケースを見ると売り切れましたの張り紙。

その日は断念して休日の朝10時に散歩がてら足を延ばしてみる。
すると、5〜6人の行列があるではないか。

ショーケースには、「イチゴ大福朝10時から販売」の張り紙。
“Just in time”喜んでいると、予約して引き取りに来る人が車でやってくる。

そう、もっと早くから予約にきて販売開始に合わせて戻ってくる熱心なファンもいるのだ。
帰り道、振り返ると行列が長くなっていた。

共同体は、こうした何気ない日常の記憶の共有から生まれるのかもしれない。
これからも、こんな日常の何気ない体験を通して感受性の維持に努めたいと思う。


3月4日 Y.I.記
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posted by nmdc-yi at 20:12| 社会

2017年02月03日

大切なメンテナンス

以前、治療した歯が痛んできたので久しぶりに歯医者を訪ねた。
開院後間がないせいか、かつて歯科医院にあった暗くて、怖いイメージがない。

設備も新しい。レントゲンも360度の画像を撮影した画像が診療台前のスクリーンに送信される。
かつては患部のみ部分的に撮影しフィルムに造影していた。

さて、目前に映写された鮮明な画像を見て驚いた。
歯がやせ細りまるでもやしのようだ。

神経を抜いた後の空洞もくっきり見える。
神経の残っている歯も痛んでいて治療が必要とのこと。

加齢による歯の衰弱とメンテナンスの悪さが重なって招いた惨状だ。
加齢は仕方ないがメンテナンスを怠ったのは自身の責任だ。

時間も費用も掛かるがもう少し自身の歯を残せるように頑張りたい。
インフラに対する日常点検の大切さを再確認できた貴重な体験でした。


2月3日 Y.I.記
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2017年01月05日

お正月の風景

65回目の年越しはことのほか平穏に迎えることができた。

年末の年賀状作り、大掃除、墓参り、年越しそば、紅白…
お正月のお屠蘇、雑煮、おせち、お福茶、年賀状…

いつも通りの年越しであるが正月の風景がいつもと違う。
晴れ着や凧揚げ等正月を感じる風景をあまり見かけない。

百貨店やスーパーも平常営業で年末にまとめ買いする必要もない。
正月の日常化とでもいえばいいのだろうか。

こんな現象は今に始まったことではない。
それを感じるゆとりが自分になかっただけだ。

変化を読み取る感受性はこんな平穏な日々の営みの中で育まれるのかもしれない。
お正月の意味は案外こんなところにあるのかなと思った。


1月5日 Y.I.記
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2016年12月04日

アメリカ大統領選挙開票速報

大方の予想を覆しトランプ大統領が誕生した。
6月のブレグジットに次ぐ大番狂わせとされる。

今回は、最近購入したタブレットにネットの開票速報を流し続けた。
両候補が獲得した選挙人数だけでなく、各州の選挙結果や経過も地図上に表示され時々刻々変更される。

日本の選挙報道のように余計な情報もないので仕事の邪魔にもならない。
獲得人数等も地図上でその州をタッチすれば確認できる。

オハイオやフロリダなど勝敗を分けた州の接戦の様子もよくわかった。
ビッグデータの解析に基づく偏った解説より生データを提供してもらう方が色々考えることができて面白いと思った。


12月4日 Y.I.記
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posted by nmdc-yi at 19:55| 社会

2016年11月03日

瞑想

ダイエットと健康のためヨガに取り組んでいる。
もちろん、スポーツクラブのヨガである。

インド古来の行法としてのヨガとは全く別物なのだそうだ。
しかし、スタジオにはインド風の音楽が流れ、瞑想で終わる。

瞑想では何も考えずに体の声に耳を傾けなさいと教えられる。
これが実に難しい。

起こった出来事や今後の予定などつい考えてしまう。
一方、疲れているといびきをかいてしまう。

際限のない物欲と偏狭なナショナリズムの台頭…
万物と一体化できる自由な精神を育む瞑想の効用は大きいと思う。


11月3日 Y.I.記
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posted by nmdc-yi at 16:39| 社会

2016年10月03日

気候変動とインフラ整備

地球規模で進む気候変動によって、想定外の豪雨による大災害が増えつつあるようです。
阪神大震災の頃に聞いた“防災から減災へ”のキャッチフレーズも今や広く認知されています。

しかし、これとセットの“剛から柔へ”というキャッチフレーズがあります。
“柔よく剛を制す”の故事の通り、しなやかなインフラ整備が減災を実現します。

そのヒントは先人の知恵に隠されています。
東京スカイツリーを支える五重塔の耐震技術、破堤を防ぎ事後の内水排水を助ける信玄堤(霞提)等々。

インフラ整備を“剛から柔へ”転換していくために、“温故知新”の姿勢が求められています。


10月3日 Y.I.記
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posted by nmdc-yi at 16:45| 社会

2016年09月02日

リオオリンピックを振り返って

開催が危ぶまれたオリンピックですが、何事もなく終わりました。
これまでのオリンピックと同様の素晴らしい感動を与えてくれました。

感動を与えてくれたのは鍛錬の成果を発揮し全力で戦い抜いた選手たちです。
リオオリンピックはこの当たり前の事実を気づかせてくれた大会だったと思います。

翻って東京、話題になるのは競技場やシンボルマーク、誘致活動等々に投じられる莫大な予算のことばかり。
リオで惨憺たる結果に終わった競技の敗因の究明や強化策について議論の盛り上がりはあまり感じません。

ハードの整備には時間が必要で計画的に推進しなければならないのは当然です。
でも、それより大切なのは競技者の育成で、ハードに比べて何倍も時間が必要です。

底辺から競技人口を拡大し成果を上げている競技も増えてきました。
企業から国民へスポーツの振興に取り組む主体の交代を図っていく必要があります。

東京オリンピックがリオ以上の感動を我々に与えてくれるように、改革の行方を注視したいと思います。


9月2日 Y.I.記
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posted by nmdc-yi at 18:43| 社会